くせ毛を味方に。グレイヘアをもっと好きになるデジタルパーマ
こんにちは。東京・銀座にてヘアサロン「CHINATSU SAKAMOTO」を主宰しております、美容師の坂元千夏です。
「エイジングをポジティブに活かしたパーマデザイン」をコンセプトに、50・60代の顧客様を中心にヘアスタイルをお任せ頂いております。
晴天の続く5月の初旬に、ふいに訪れた雨の日。
お客様がヘアチェンジにお越しくださいました。
グレイヘアが印象的な前田朋代さん、69歳。
グレイヘアのご友人のすすめがきっかけで、白髪染めを止めることを決意。美容師の私が初めてお会いしたのは4年前、既に美しいグレイヘアでいらっしゃいました。
現在はお仕事を退職し、趣味の陶芸や洋裁、海外旅行を楽しんでいらっしゃいます。
カウンセリングでお伺いしたとこ、年齢と共に髪のくせやうねりが強くなったこと、また乾燥により、髪がまとまらず扱い方に困っているとのことでした。
普段はオイルをたっぷりつけて、ボリュームを抑えるようにスタイリングしているご様子です。
そこで広がりやすい髪質のコンプレックスを活かし、デジタルパーマをかけることをご提案しました。
年齢を重ねて痩せた体型にも、ボリュームを活かしたヘアスタイルが似合うと確信したためです。
長く伸びきった髪を、顎の長さのボブヘアにカット。レザーで柔らかなボブのラインを描きます。
また輪郭のリフトアップ効果を狙い、リップの位置にヘアスタイルの重心を置き、グラデーションカットでフォルムを作ります。
くせ毛のカット、特にレングスチェンジにおいては、コーミングを重ね、くせの流れを見極めながら丁寧に切り進めることが大切です。
デジタルパーマの施術に移ります。
一般的に、パーマはコールドパーマとホットパーマの二種類に分かれ、デジタルパーマのように髪に直接熱を与えながらパーマをかけるホットパーマの手法は髪のダメージが少なく、パーマが長持ちするのが特徴です。
キューティクルを整えながら、艶とまとまりのあるカールを作ることができるため、デジタルパーマはくせ毛と非常に相性の良いツールと言えるでしょう。
頭皮に対してそれぞれの毛束を適切な角度で引き出し、くせ毛を活かした立体感のあるカールを狙います。
お流しの後、ドライヤーの風を拡散させるディフューザーというアイテム使い、髪を持ち上げるようにしてパーマをスタイリングします。
リップラインに重心を置いたボブのフォルムと、くせ毛を活かした立体感のあるカール。
デジタルパーマの効果でキューティクルが整い、グレイヘアに艶が生まれ、洗練された印象に変わりました。
加齢と共に、輪郭、顔のパーツ、体型などの重心が下がる傾向にあります。
一人一人の骨格や、女性像に合うプロポーションを見極めるのが美容師、デザイナーとしての仕事です。
エイジングには、丁寧なメンテナンスが必要です。盆栽の剪定のように、こまめに枝葉や形を整えることで、素材に本来備わっている美しさが現れます。
それは自身のエイジングの変化に豊かさを感じられるような。それが機械による大量生産品では生み出せない、人の手によるオーダーメイドのデザインの力だと確信しています。
上着として羽織っていらっしゃる青色のコートは前田さんのお手製の物。
年齢と共に刻まれた肌のしわと、真珠の輝きのコントラストが、グレイヘアの魅力を一層引き立てます。
過去の若かりし頃の毛質や、ヘアスタイルを追い求めるより、金継ぎのように、エイジングを活かした美しさを求めていくことが、人生に彩りを与るのではないでしょうか。
PROFILE
坂元 千夏
2010年、東京・表参道にて美容師のキャリアをスタート。2024年より拠点を銀座に移し、ヘアサロン「CHINATSU SAKAMOTO」をオープン。
サロンワークを中心に、撮影やメディア出演など幅広く活動。「クロワッサン」「ku:nel (クウネル)」(マガジンハウス)、「ハルメク」(ハルメク)、NHK「あさイチ」など、大人世代向けのメディアから多くの支持を受ける。
年齢を重ねた髪の魅力を活かしたパーマデザインを得意とし、ミドル・シニア世代の美をサポート。
世界を旅して得た美的感覚と日本の職人技術を生かした、上質なヘアデザインが評価されている。
Website www.chinatsusakamoto.com
Instagram @chinatsu.hairdresser
CHINATSU SAKAMOTO Hair Salon
〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-6 CURAGINZA7F meby RoomB
「東銀座駅」A1出口より徒歩1分 / 「銀座駅」A1・A2出口方面、地下通路より東銀座駅直結
月/火/水 定休日 木/金/土/日 10:00-19:00

