60・70代に似合う、艶とボリュームを叶えるエレガントボブ
五月晴れの心地良い季節。
お客様がヘアスタイルのメンテナンスにご来店下さいました。
お客様の伊藤紀子さんは、元アパレルデザイナーで、洋裁がお得意でいらっしゃいます。
現在もご自身やお孫さんのお洋服の製作に始まり、様々方からのオーダーの品を仕立てていらっしゃる程です。
今回は2カ月半振りのヘアメンテナンス。これから迎える初夏に向けて、定番のボブヘアをアップデートしたいとのご要望を頂きました。
髪のお悩みはくせやうねりで髪がまとまり辛いこと、そして顔周りに集中している白髪。
エイジングにより変化した髪質のお悩みを解消し、お洒落も楽しめる、洗練されたボブヘアをご提案させて頂きました。
まずは顔周りに集中している白髪をぼかす為にハイライトを施します。
頭の部位に合わせて、縦、横、斜めに角度を調節しながら5ミリ幅の毛束を丁寧にすくい上げ、ナチュラルなハイライトデザインを目指します。
白髪は、根元が伸びた際にに黒髪とのコントラストで目立ちやすくなりますが、ハイライトを効果的に忍ばせることで、ヘアスタイルにカラーの陰影が生まれ、リタッチの境目が自然に馴染みます。
カットにおいて、エイジング毛を扱う際は、ベーシックの技術が重要です。
特に加齢によりくせやうねりが強くなっている場合、髪の毛が濡れた状態で丁寧にコームで髪を梳き、髪の毛が収まる位置を確認しながらカットする事が大切になります。
このような丁寧な作業のひと手間、ひと手間が、お客様ご自身で行うスタイリングの再現性につながります。
鏡を見ながら、伊藤さんのお顔立ちのパーツに合わせて、ヘアスタイルの長さや、フォルムのウェイトを設定してデザインしていく作業は、まるで建築の設計図を描くようです。
日常の中で、様々な角度から見て、美しく立体的なヘアスタイルに仕上がるよう、施術の際の立ち位置を意識しながらヘアスタイルを作り上げていきます。
スタイリングはブローブラシを使い、ブローをしてお仕上げ。
くせ毛特有の表面の細かい毛が美しく整い、艶やかな髪へと変化します。
ひし形のシルエットの洗練されたボブデザインの完成です。
ファッションがお好きな伊藤さんの個性を感じるデザインのメガネや、ピアス、指輪などのアクセサリが、ヘアスタイルとよくお似合いです。
ビフォアでは輪郭の下の位置にへスタイルのボリュームが溜まり、間延びした印象でしたが、アフターでは輪郭が引き締まり、若々しい印象へと変化しています。
ドライヤーで乾かす際に作られる根元のボリュームや、ブラシを使ったブローによって生まれる髪のハリもリフトアップの大切なポイントです。
年齢を重ねるとヘアスタイルやお洋服の立体的なフォルムや素材のハリ感が、若々しさの鍵となります。
また、くすんだ肌にはパールやゴールドのアクセサリーの輝きとの相性が良く、まぶたがたるみ目力が弱まった目元には縁のあるメガネを合わせる事で、成熟した魅力が生まれます。
このように、年齢によって変化した自分に合ったヘアスタイルやファッションのバランスに辿り着くと、お洒落が楽しくなります。
それはまるで金継ぎのように、ヒビの入った箇所を漆で修復し金粉で装飾するような、このプロセスこそが「成熟」だと考えます。
ヘアスタイルやファッションを通してエイジングを楽しむ方法を身に着けることは、人生の後半が味わい深いものになるのではないでしょうか。
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PROFILE
坂元千夏
2010年、東京・表参道にて美容師のキャリアをスタート。2024年よりサロンの拠点を銀座に移し、ヘアサロン「CHINATSU SAKAMOTO」をオープン。
サロンワークを中心に、撮影やメディア出演など幅広く活動。「クロワッサン」「ku:nel (クウネル)」(マガジンハウス)、「ハルメク」(ハルメク)、NHK「あさイチ」など、大人世代向けのメディアから多くの支持を受ける。
年齢を重ねた髪の魅力を活かしたパーマデザインを得意とし、ミドル・シニア世代の美をサポート。
世界を旅して得た美的感覚と日本の職人技術を生かした、上質なヘアデザインが評価されている。
Website https://www.chinatsusakamoto.com/
Instagram @chinatsu.hairdresser
Hair Salon CHINATSU SAKAMOTO
〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-6 CURAGINZA7F meby RoomB
「東銀座駅」A1出口より徒歩1分 / 「銀座駅」A1・A2出口方面、地下通路にて東銀座駅直結
月/火/水 定休日 木/金/土/日 10:00-19:00