夏、教養のすゝめ
まだまだ世界中で暑い夏が続いているようですね。
窓の外で照り付ける太陽の日差しを眺め、冷房のひんやりとした冷たい空気を感じながらこの文章を綴っています。
二カ月前にヨーロッパに訪れた際に出会った現地の人達との会話の中で、上手く日本の文化について説明できなかったもどかしさをきっかけに、最近は東京の様々な歴史的建造物を訪れています。
皇居、赤坂離宮、武相荘など、。最近訪れた場所の中から、国会議事堂をご紹介します。
永田町駅から徒歩三分程の場所にある国会議事堂。中央の建物を境に、衆議院・参議院の棟に分かれています。
セキュリティチェックを受けた後、見学の開始時刻まで自然光の入る地下のロビーで待ちます。
私の参加した回の見学者のほとんどは外国人観光客で、50%が中国人、25%が日本人、5%が欧米人。
恥ずかしながら今回の来訪が初めてだった私にとって、大なり小なり外国の政治に興味を持つ外国人観光客の多さに驚きました。
中には日本人で、お孫さんの夏休みの教養に、親子三世代で来訪しているご家族も。
見学のガイドをしてくださるのは何と警備員。こちらもまた驚きです。
夏は国会閉会中。見学者一同、参議院議場に腰を下ろし、国会議事堂の建設当初から現在に至るまでのストーリーを、ご自身の国会議事堂の警備の体験も交えながら説明してくださいます。
一通りの説明の後、質問コーナーで積極的に発言するのは中国人勢。
既にパンフレットに回答が書いてある様な小さな質問から、専門的なものまで。
英語や、専門的な政治用語を含めた流暢な日本語での質問が飛び交います。
警備員さんが英語が理解できないことが分かると、ひるまず翻訳機アプリを使い質問する姿勢に、質問内容以上に、質問する積極性のアピールが大切だという価値観がひしひしと感じられました。
見学後、英語の質問の通訳を手伝った際のお礼に話しかけてきてくれた中国人の男の子は法学部の学生さん。東京観光中に国会議事堂を訪れるその価値観が素晴らしいです。
1936年に建設された建築様式は、かつての日本のスローガン「欧米に追いつけ追い越せ」を彷彿とさせる西洋式の荘厳な建物。
これまで様々な書籍やテレビドキュメンタリー(NHK「映像の世紀 バタフライエフェクト」は私の一番のお気に入りです)から日本の史実を学び知識は頭に入っていましたが、実際に足を運んで体感すると理解が何倍にも深まります。
来年の夏にオランダの大学のサマースクールに通いたいと思っています。学びたい内容は社会心理学やブランディングなど実用的なことが主ですが、学び舎に集う多国籍なコミュニティの中で、日本のこと、そして自分自身のことを上手く説明できるよう目下勉強中です。
坂元 千夏