白髪とパーマが織りなす、ショートヘアの美

梅雨が明け、陽射しの照りつける七月。街を行き交う人々はすっかり夏の装いです。

サロンに訪れてくださったのは、杉田美和さん、60歳。七年前に脱白髪染めを決意して以来、グレイヘアを楽しんでいらっしゃいます。

前回のカットから二カ月。現在のショートボブのシルエットを長く感じていらっしゃるご様子でした。

杉田さんの美しく輝くグレイヘアとベース型の輪郭に似合うショートヘアをご提案させて頂きました。

杉田さんの直毛で硬い髪質にはレザーを使用し、羽のような柔らかい切り口に仕上げます。

ベース型の輪郭に合わせて頬骨の高さにヘアスタイルのウェイトを設定。そしてエラに沿ってフロントの長さをデザインする事で、骨格にフィットするデザインが生まれます。

また、襟足は内側をレザーで短く切り込み、コンパクトに。

タイトな襟足のデザインは、正面から見た際に年齢と共に下がった輪郭を引き締める効果をもたらす、大切なディティールの一つです。

今回のパーマの目的は、ヘアスタイルに立体感を加えること。

グレイヘアは健康毛でパーマがかかり辛い傾向にあるため、熱を利用したデジタルパーマを選択します。

ワンカールのパーマをかけることでヘアスタイルの毛流れや後頭部の丸みが強調され、華やな印象へと変化します。

ドライヤーでさっとと乾かして生まれる立体的なショートヘア。

髪の曲線、後頭部の丸み、首筋に沿う襟足のデザインが、思わず目が留まる美しい後ろ姿を演出します。

杉田さんの髪質や骨格に合わせてオーダーメイドで設計された、ダイヤモンドフォルムのショートデザイン。

アシンメトリーの前髪のデザインが、表情に奥行きと豊かさをもたらします。

深みのある赤いリップとリネンのワンピースの装いが、成熟した魅力を一層引き立てています。

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ビフォーは前回のカットから二カ月経ち、ヘアスタイルの重心が下がり立体感に欠ける印象でした。

アフターではウェイトが目の位置にリフトアップ。フロントの髪の毛も顎下からリップラインの位置へとシフトしています。

そしてアシンメトリーの前髪が、額と頬骨をカバーし、骨格を美しく補正。目元に自然と視線が集まり、表情がより活き活きとした印象に。

杉田さんは普段、フェイシャルヨガトレーナーとして生徒さんに表情筋の使い方のレッスンをしていらっしゃいます。

三人の娘さんは大人になり、「母」や「妻」としての社会的役割以外の、彼女自身のアイデンティティーがあることが杉田さんの存在感をより一層豊かにし、年齢を重ねることの美しさや自由さを体現しているように感じます。

新緑の芽吹く青年期、紅葉が色づく成熟期、落葉が静かに舞う老年期。

人生にはステージがあり、それぞれのステージに合った方法を実践する必要があります。

年齢を重ねた今だからこそ似合うヘアスタイルを探してみてはいかがでしょうか。




PROFILE

坂元 千夏

2010年、東京・表参道にて美容師のキャリアをスタート。2024年より拠点を銀座に移し、ヘアサロン「CHINATSU SAKAMOTO」をオープン。

サロンワークを中心に、撮影やメディア出演など幅広く活動。「クロワッサン」「ku:nel (クウネル)」(マガジンハウス)、「ハルメク」(ハルメク)、NHK「あさイチ」など、大人世代向けのメディアから多くの支持を受ける。

年齢を重ねた髪の魅力を活かしたパーマデザインを得意とし、ミドル・シニア世代の美をサポート。

世界を旅して得た美的感覚と日本の職人技術を生かした、上質なヘアデザインが評価されている。

Website www.chinatsusakamoto.com

Instagram @chinatsu.hairdresser

CHINATSU SAKAMOTO Hair Salon

〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-6 CURAGINZA7F meby RoomB

「東銀座駅」A1出口より徒歩1分 / 「銀座駅」A1・A2出口方面、地下通路より東銀座駅直結

月/火/水 定休日 木/金/土/日 10:00-19:00

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